FX152J PRO のパワーアンプ機能部品となるヤマハ製YDA138の仕様に、絶対最大定格超過となる4Ω負荷のステレオ出力は存在しない

FX152J PRO の仕様である15W+15W/4Ω出力の絶対最大定格超過状況

絶対最大定格とは、破損回避のための一瞬たりとも超えてはいけない電子部品の定格値である

FX152J PRO の最大出力は、この絶対最大定格を大きく超えるもので、いつ壊れてもおかしくない商品である


FX152J PRO の仕様による許容損失の計算結果
出力:15W+15W/4Ω(仕様)
許容損失:5.37W
許容温度:-69.3℃
YDA138の仕様による許容損失の計算結果
出力:10W+10W/8Ω(仕様)
許容損失:2.07W
許容温度:53℃



FX152J PRO の絶対最大定格超過状況をチャート図にしてみる

最大許容損失のラインが最大許容損失対周囲温度のガイドラインを越えると絶対最大定格超過となる


 (A)はFX152J PRO の許容損失で 2.6W(25℃)の超過を示しており、(B)はデータシートの許容損失で 0.8W(25℃)のマージンを残している。
  FX152J PRO の許容損失は、69.3℃ 以下まで周囲温度を冷却しないと絶対最大定格内に収まらないという非現実な状況を示している。
 つまり、このマイナス69.3℃以下の環境下で動作させないと「15W+15W/4Ω」の出力(電力)は実現しないという非常に馬鹿げた仕様なのである。
 また、この極低温下で実現したとしても、その出力は飽和し、18%ものTHD+N(高調波歪)が発生していることから音質的に実用にならいものとなっている。

YDA138 データシートより、絶対最大定格の記述部分


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