ノースフラットジャパンによる瞬間最大出力の説明が "でたらめ" であること
弊社のFX-AUDIO-製品は中国の企業とベースモデルを共同開発で製造しております。
その関係上、
最大出力の表記は概ね瞬間最大出力となっており定格出力ではございません。
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瞬間最大出力は測定条件の規定などなく、海外の規格では20ms出力できれば表記可能となっております。
とは申しましても、音楽を聴く上でピークが連続する場面もございます。
そのような20ms以上続く音楽での15W出力は担保されております
ので、ご理解いただければと存じます。
上記説明にある4つの ”でたらめ”
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でたらめ その1(瞬間最大出力は測定条件の規定などないと事実に反する間違った説明をしている)
そのようなことはなく、思い当たるところで、JEITA, EIA, IHF, IECなどの規定(=規格)がある。
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でたらめ その2(20ms という時間を連続出力の持続時間のような間違った説明をしている)
この 20ms という時間は、自然界で作り出される音の立上り時間(例=無音の状態で太鼓をたたく瞬間から最大音圧に達するまでの時間)がほとんどの場合 20ms 以内の時間で完了することに由来して規定されたもので、つまりこの 20ms という時間内の波形がクリップせずに出力できれば、立上り時間内の信号を歪なく正常に出力したことになり、このクリップが発生する直前の最大出力値を「瞬間最大出力」と定義したものであるが、ノースフラットジャパンの説明は「
20ms以上続く音楽で・・・
」というように瞬間ではなく、それよりも長く持続するつまり連続出力を定義しようとするもので、本来の「瞬間最大出力」の定義から逸脱している。
もし、瞬間最大出力の密度(=出現率)を定義するのであれば、バースト波の繰り返し周期の長短を規定して実現するものである。
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でたらめ その3(20ms という時間の定義された規格を外国由来の特有なもののように間違った説明をしている)
20ms という時間を含めバースト波による瞬間最大出力の測定法の原型は日本人が考案したものであり、「NF回路設計ブロック」を創業された北野進氏により、50年以上前の「ラジオ技術」という電子技術誌に発表されたのが最初である。
このバースト波による測定法は非常に合理的な方法であったことから色々アレンジされ、海外でも「瞬間最大出力」の測定信号として規格化されている。
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でたらめ その4(「15W出力は担保されています」の嘘)
瞬間最大出力については、
こちらの4番目にある動画
のとおり、クリップ直前の最大出力電圧が 18Vpp と観測されていることからその実効値に相当する出力は 10W であり、15W 出力は元から不可能なことである。
以下、参考資料
「オーディオ回路とその測定 第5章」の記述にある、1967年に発表された「バースト波信号方式」の測定方法
「オーディオ回路とその測定」の奥付
バースト波による測定法を考案された北野進氏の逝去を伝えるJASジャーナル
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