FX152J PRO 4Ω負荷による異常動作サンプルと瞬間最大出力の波形動画

< 正弦波信号による、15W+15W/4Ω 出力時の波形と絶対最大定格超過による出力断続状況 >

 こちらは、正弦波信号を入力し、 15W+15W/4Ω の出力をさせた状態をオシロスコープで観測し撮影したものである。

 この波形は、前ページの波形図」で示している最上段の「出力 15W+15W」と記述された部分の時間軸を拡大表示した映像になる。

 本来なら正弦波が出力され観測さるべきものであるが、出力可能な最大振幅電圧を超過した飽和出力により、その波形は台形波状になり、およそ18%の大きな高調波歪を発生させているが、これほどの高調波歪となるとかなりの量の音声情報が失われ音楽等の再生に適さないもので、これを許容する規格など存在しない。 さらに、絶対最大定格超過の動作により保護回路が動作し、出力が断続されている状況も確認できる。

< 音楽音源による、15W+15W/4Ω 相当の出力波形と絶対最大定格超過による出力断続状況 >

 こちらは、音楽音源を入力して「15W+15W/4Ω」の出力に相当する飽和状態(※1)で再生し録音したデータを、波形編集ソフトで展開した音声と波形である。

 その結果は、18%という大量の高調波歪発生により、濁った不鮮明な音声となり、上記の正弦波入力による出力断続現象と同様な断続状態が曲の終了まで続いた。

※1:音楽音源の振幅は一定でないことから飽和(=クリップ)する範囲は最大振幅付近に限られ、振幅のすべてが飽和する「15W+15W/4Ω」の試験信号による出力結果の電力と同等にならず、実際の出力電力は、出力開始から最初の出力遮断が発生するまでの時間で推定できる(前ページの波形図を参照)。

< 音楽音源による、夏場の使用状況を想定した出力波形と絶対最大定格超過による出力断続状況 >

 こちらも音源を音楽にしたうえ、本件商品の筐体内温度がおよそ40℃という夏場の使用状況を再現するという、つまり、YDA138の周囲温度をおよそ40℃にした環境で出力した結果の録音データを、波形編集ソフトで展開した音声と波形である。

 こちらの例では、断続したのは1回のみで、その後の停止で、完全に出力されない状態に至ったものである。

< バースト波規格信号(JEITA)による「瞬間最大出力」の状況 >

 こちらは、JEITAが規定するバースト波信号(=次ページ参照)による瞬間最大出力を検証したものである。
 この検証をした理由は、メールによる最大出力の問い合せで「15W+15W は瞬間最大出力である」との説明があったことに由来する。その一方で「ブログの釈明」はその様な「瞬間」の説明は一切なく「YDA138データシート」を引用して発熱を伴う「連続最大出力」を説明をしており、この二つの説明は矛盾している。なお「瞬間最大出力」は殆んど発熱を伴わないことが明らかであるから(=次ページ参照)、この発熱を問題視した釈明が、連続出力を前提にしていたのは明白な事実である。
この観測された瞬間最大出力電圧は、18Vppとなっており、その電圧から算出した最大電力値は「10W+10W/4Ω」となり「15W+15W/4Ω」にとても及ばないことから「虚偽・誇大広告」は明白な事実である。


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