<検証2-1>【24bit44.1kHzで、ケーブルの違いによる録音結果を検証してみた 1】
リサンプルの事は一旦無視したいので、24bit44.1kHz、1秒のホワイトノイズを作成し、
24bit44.1kHzのセッションに読み込ませ、2種類のケーブルを使いAA誌のCDと同じように録音してみました。(図06)
同様に、ProToolsの内部バス経由と、外部PCへ2種類のケーブルを使った録音もやってみました。
(図06)
以降各ファイルはこんな感じで書きます。
・BUS :ProToolsの内部バス経由録音したもの
・SPDIF1:S/PDIF(同軸)経由のループバック録音したもの(A社ケーブル:BELDEN 1694A)
・SPDIF2:S/PDIF(同軸)経由のループバック録音したもの(一般的な赤白のオーディオケーブルの白い方)
・SPDIF3:S/PDIF1のケーブルを使い、外部PC(ProTools LE)に録音したもの
・SPDIF4:S/PDIF2のケーブルを使い、外部PC(ProTools LE)に録音したもの
※外部PC側はS/PDIFをシンクソースとしています。
※ProToolsの遅延補正機能は全て外しています。
※SPDIF2は要は品質の悪いデジタルケーブルを模しています(アナログ録音をしたという意味ではありません)
<検証2-2>【24bit44.1kHzで、ケーブルの違いによる録音結果を検証してみた 2】
検証2-1で録音した各波形のレイテンシやずれ(外部PCは手動録音ですので頭はずれます)を波形的に補正しました。(図07)
(図07)
各波形を逆位相にした波形を作成し、それぞれ合成してみましたが、見事にピークは-∞になりました。(図08)
つまり、録音された全ての波形は同じだったという事です。
(図08)
【検証結果2-2】
○ケーブルの違い、録音方法の違いに寄らず、全てのデジタル録音の結果は一致しました。
<検証2-3>【16bit44.1kHzで、ケーブルの違いによる録音結果を検証してみた】
蛇足ですが、検証2-1の録音波形の下位ビット切捨てて(ディザーをかけると波形が変わってしまうので)
16bitの波形を作り、16bitのセッションに読み込んで検証2-2と同じ事をやってみたところ、
検証2-3と同じ結果になりました。(図09)
(図09)
【結果2-3】
○検証2-1の波形の下位ビットを切り捨てているだけなので当然ではありますが、
ケーブルの違い、録音方法の違いに寄らず、全てのデジタル録音の結果は一致しました。
【結果から得られる結論2】
○ProToolsの内部バス経由の録音結果、デジタルケーブルを使用したループバック録音の結果、
別PCへのデジタル経由の録音は全てデータ的には同じファイルになる。
【感想】
もっと長い時間の録音で検証すれば良かったと後悔…
今回はごく短時間の録音でしたが、セッションが複雑な場合、録音時間が長い場合、AES/EBU経由の録音の場合など、
状況が変われば結果は少し変わるのかもしれません。
私自身、複雑な長時間のデジタルケーブル経由での録音時に音飛びのような現象が発生する事を
何度か経験しておりますので、ケーブルの違いは少なくとも何かしらのエラーの頻度には影響すると思います。