<検証4-1>【リサンプル品質によってデータがどのように変化するのか調べてみる 1】
今度はリサンプルのみを対象に検証してみます。
ディザーの影響を無視する為、16bit96kHzのセッションに適当な波形を読み込ませませて適当に録音してみました。
この段階で合成波形のピークは-0.7dBでした。(図14)
(図14)
合成波形を変換クオリティを変えつつ(低、良、最良の3パターン)44.1kHzでエクスポートしてみました。(図15)
(図15)
<検証4-2>【リサンプル品質によってデータがどのように変化するのか調べてみる 2】
検証4-1でエクスポートした波形を16bit44.1kHzのセッションに読み込んでみたところ、
ピークレベルは微妙に変わりました。(図16)
今回はたまたま元波形と0.1~0.2dB程度の差ですが、場合によっては(高音のエネルギーが強い、等)0.5dB程度変化する事もあります。
(図16)
各波形の逆位相を合成し、結果を+24dBしてみたのが(図17)です。
(図17)
【検証結果4-2】
ProTools上のリサンプルに限った結論ですが、
○リサンプルの品質の違いは出力波形にはっきり現れる。
○音量は変化するが、一律数dB上下するという事はない。
【結果から得られる結論4】
検証結果3の内容とあわせて考えるとAA誌CDのトラック65と66のリサンプル品質は同じだったのだと思われます。
【全体的な結論】
今回の検証ではデジタルケーブルの違いは録音結果に影響を与えませんでした。
【全体的な感想】
今回の検証はほんの一例に過ぎませんので、一定の結論の為にはいろんな条件下での検証が必要でしょう。
確かに録音さたファイルは全て同じになりましたが、各ケーブルのジッタも同じだったのかと言えば
必ずしもそうではなかったはずです。
つまり、エラーを無視して考えると、、低ジッタ下でも高ジッタ下でも、シンク(今回の場合はS/PDIF経由のシンク)
して録音する限りは録音されたデータは同じ(バイナリの一致)になるのではないでしょうか。
要は、デジタルデータとして何からの記録メディアに記録した段階でジッタは無視される、と。
また、ここでいうエラーとは私自身が何度か体験した事のある音飛びを意味しますが、
それがケーブルのエラーなのか、ProToolsのエラーなのか、他の要因なのかは現時点では分かりません。
例えるなら、ゆがんだものさしと正確なものさしの1cmも、1mも、目盛りを基準に考えると
同じ1cmであり、同じ1m、だけど絶対的に見ると実際の長さは違う、という感じです。
音でいうと、ものさしの目盛りは時間軸、目盛りのゆれは時間軸の揺れ(ジッタそのもの)
なので、DA後の実際に聞く音の音質が変わっていたとしてもデジタルデータとして記録した
段階で変化は表れないのではないでしょうか。
この辺は良く言われるオーディオCDの一連の話と似ています。
AA誌のCDはとても面白い企画だと思いましたが、トラック65、66については
個人的には、ProToolsでループバックして録音する意味があまり分かりませんでした。
それなら、192 I/Oと別のDACをデジタルケーブルで繋ぎ、DACアナログ出力を録音し直す方が
分かりやすかったのではないかなと思います。
機材を統一させ、デジタルケーブルだけを交換すればその効果は分かると思いますので。
時間があればトラック67~69の検証も行ってみたいと思います。
【検証環境】
全ての検証はPro Tools HD 7.4cs3 (192 Digital I/O)にて行いました。
別PCとしているものは、Pro Tools LE 7.1.1cs2(Mbox 2)です。
ジローさんには、数日間に渡って検証についての質問等に応じてもらい大変感謝している。
この検証について、追試や疑問点があれば本スレでもドンドン上げて欲しい。
これからも、この問題に興味や疑問がある人は積極的に検証してもらい連絡用メールアドレスに連絡してもらいたい。
akoriba_matome_wiki@yahoo.co.jp